「今宵ジャック・シーより愛を込めて」台本

「今宵ジャック・シーより愛を込めて」の台本とキャラクタの裏話をこっそり公開中。

 

 

 

 

 

ハロウィンの夜、暗い裏路地をジャック・シーとネロが歩いている。

ぶつぶつと会話を交わしながら、ジャックはネロに腹を立てている。

 

 

ネ  ロ01

「…ねェ、いい加減諦めたらどうなんだい、ジャック・シー」

ジャックを見上げながら

ジャック01

「あーうるさいなッネロっ!

お前使い魔の分際で僕の計画を邪魔するつもりなのか!?」

ネロをうっとうしそうに

ネ  ロ02

「邪魔なんかしないさ、そんな面倒なコトこっちから願いさげサ。

ボクは純粋にキミのコトを考えて言ってあげてるだけなのに。」

 

ジャック02

「嘘つけ!絶対お前ボクの事馬鹿にしてるんだろっ!」

ネロの言葉に腹を立てて

ネ  ロ03

「別に?まア、魅惑の黒魔術師『ジャック・シー』ともあろう君が、

ただのニンゲンの女のコに惚れちゃうなんていうのはちょっとアレかなとは思うケド」

 

ジャック03

「ううううう、うるさいッ!」

顔を真っ赤にして

ネ  ロ04

「しかもこのハロウィンを利用してお近づきなろうという浅はかな考えもどうかと思うケド」

 

ジャック04

「いいい、イイだろッ!

だ、だってッ、ぼ、僕らみたいな変なヤツらがこっちの世界をどうどうと歩けるチャンスなんて

ハロウィンの今日ぐらいしか…」

 

急にもじもじしながら

ネ  ロ05

「まあそれもそうだけどネ。というかそもそもその頭のパンプキンヘッドは何な訳?

それをかぶると何か不思議な魔力でも働くってのかい?」

 

ジャック05

「これ?これはあれだよ、…ほ、ほらッ、か、顔隠すのに丁度いいだろ?

顔見せるの…は、はずかしいじゃん…」

 

ネ  ロ06

「…君ねエ、顔かくしてどうするのサ。」

溜息混じりに

ジャック06

「…なんで?」

純粋に疑問という感じ

ネ  ロ07

「…君はこんなにお馬鹿さんだったかい、ジャック?

顔を隠して近づいたって、次会った時には君だとわからないじゃないか。」

 

ジャック07

「…あ、そ、そっか…!」

ちょっと落ち込んで

ネ  ロ08

「ハア…齢13にして全ての魔術を学んで会得した『魅惑の黒魔術師』の名が泣くよ…。

大体良く考えればこんな事君お得意の魅了の魔術でどうにかできるんじゃないのかい?」

 

ジャック08

「それはダメ。

…そりゃ僕の魔術を使えば簡単にローズの心は手に入るけど、

…それじゃ意味が無いんだ…わかるだろネロ。」

即答

ちょっとまじめに

ネ  ロ09

「…マア、わからないでもないね。

だけどいい加減僕はこんな茶番に付き合うのには飽き飽きしてきたヨ。

他に予定もある事だし悪いけど先に帰らせて貰う、じゃあねジャックごきげんよう」

 

 

どうでもよいという感じ

ジャック09

「え、ちょ、ちょっと待ってよネロ!予定って、大体お前僕の使い魔だろッ!?」

焦って

ネ  ロ10

「使い魔にだって『ぷらいべーと』は必要サ。

君と違って生憎ハロウィンの黒猫は大忙しでネ。じゃ精々頑張りナよ」

 

ジャック10

「おい、ネ、ネロー!酷いよ、僕一人でローズに近付くなんて、…無理だよおおー!!」

泣きそうになりながら

ネ  ロ11

「一人で告白も出来ないようじゃまだまだ子供ダネえ、『魅惑の黒魔術師』ジャック・シー。

でもホラご覧よ、ローズはもう家に帰ってしまったようだケど」

 

ジャック11

「えええ!!?ううう、嘘ッ!そんな、まだ夜は始まったばかりだろ!!」

驚いて

ネ  ロ12

「君と違って普通の子供はもうベッドの中の時間なんダヨ。

ヤレヤレ、君は今日どこかにネジを一本落としてきたんじゃないのかい…?」

 

また溜息混じり

ジャック12

「…ど、どうしよう…どうしようネロ!」

パニック気味で涙混じり

ネ  ロ13

「どうしようって言われてもネエ。

…その辺でもう大人しくお菓子でも貰って魔界に帰るのが一番じゃないかい?

ホラ、君、チョコレートやキャンディ大好きだろう?」

 

慰めるように

ジャック13

「チョコレートや、…キャンディ…?」

涙をぴたりと止めて思いついたように

ネ  ロ14

「そうサ、…まあ、なんだかんだ言っても君はまだ子供…」

 

ジャック14

「そうだ!!いい事を思いついたぞネロ!ほら!ネロも手伝って!!」

ネロの台詞を遮って

ネ  ロ15

「ハア!?何だい突然何を思いついたってのサ!!」

 

ジャックは持っていた杖で土に魔方陣を描く

 

ジャック15

「…よし、これで魔方陣はカンペキ!ネロ!早く魔方陣に入って!!」

魔方陣を書き上げて

ネ  ロ16

「なんだい、この魔方陣は何なんだいジャック!?こんな魔方陣見た事が…!!」

焦りながら

ジャック16

「それはそうさ!僕が今作ったんだ!ほら、魔術を行うよ!目を瞑って!」

嬉しそうに

ジャック17

「今宵ハロウィンに踊る悪魔に精霊よ、

ベッドで夢見る小さな悪魔たちに優しい悪夢を!」

厳粛に

後半盛り上がって

ネ  ロ17

「…!何だ、この魔法は…!?」

 

ジャック18

「ちょっと召喚魔法を応用したんだ。

この街の子供たちにチョコレートとキャンディ、

そして優しくて恐ろしいハロウィンの夢の贈り物さ。

もちろん、ローズにも、とびっきりのをね。」

にっこり笑って

 

 

ネロにウィンクをひとつ

ネ  ロ18

「ふ、流石『魅惑の黒魔術師』ジャック・シーだ。

即興であの難しい召喚術を行うばかりか応用してしまうなんてネ…。

僕のご主人様は凄い魔術師だって事、今ようやく思い出したヨ。」

少し微笑んで

ジャック19

「ハロウィンの今宵、街の子供たちへ、ジャック・シーより愛を込めて!」

盛り上がって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★ジャック・シー(JACK・SITH) 14歳

ネーミングはご存知ハロウィンのカボチャアイテム「ジャック・オー・ランタン」より。

シーは「妖精」を意味する「Sith」。結構単純に決めたわりになかなか語呂が良いお名前に。


ジャックが卒業した魔法学校は10歳から18歳までの少年少女が通う魔界唯一の学校で、

ジャックは飛び級で、本来8年掛けて学ぶ勉強を3年で終わらせたエリート。

もともと魔法学校自体がある程度の才能のある者しか入学できない制度な上、

入学できても卒業までに大きな業績を作ることが出来ない場合「魔術師」の称号は与えられない。

ジャックは飛びぬけた魔力とその応用力にて在学中に多くの新しい魔術を生み出し、

召喚魔法と人々を魅了するような鮮やかな魔術をもって13にして「魅惑の魔術師」の名を会得。

ネロとは8歳の時に初めての召喚で呼び出し契約、以来ずっと一緒の仲。


ちなみにローズとの出会いはローズの住む小さな町のお菓子屋さんにて。

お菓子を買い込みすぎて大きな袋を持って右往左往していたジャックを手伝ってくれたのがきっかけ。

ローズは金色の長い髪と栗色の大きな瞳の優しいオンナノコ。




★ネロ(NERO) 年齢不詳

名前の由来はこちらも単純、イタリア語で黒を意味する「ネロ」から。

かの有名なローマ皇帝暴君ネロのイメージもちょっとは入っているのかな?という感じ。


天鵞絨(びろうど)のような真黒の体毛と両目色の違うオッド・アイが自慢の黒猫。

ジャックと違い社交的でその場に溶け込むのが上手いため、友人(猫?)・知り合いは多い様子。

ジャックの初めての召喚魔法で呼び出されて使い魔となる。

本人(猫)は「子供に呼び出されるナンテ、僕も落ちたものダヨ」と最初は皮肉気味だったようだが、

今ではジャックのちょっと頼りない性格をカバーする頼りになる友人であり先輩のような存在。

ちなみにネロ自体はそう魔力の低い悪魔では無く、強力な魔法補助も行えるマルチな中級悪魔。

結局ジャックが相当の魔術師だったという話で、それは本人(猫)も理解済みの様子。


好物はお肉。猫の姿はしていても魚やキャットフードはお嫌いのご様子。

ネロ曰く「そんな猫みたいなもの食べるわけ無いでショ」との事。アルコールも嗜む大人猫。